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PARIS-ZIN Interviews Episode3 壮大なドラマティックストーリー

【PARIS-ZIN Interview 3】

HAIR&MAKE UP ARTIST Aiko Sato
パリで活躍する人“PARIS-ZINパリ人”に29PARIS.conが直撃インタビュー
第3回はヘアメイクアップアーティストのAiko Satoさん。
こちらからどうぞご覧ください。

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Aikoさんはとある代官山のヘアサロンで働いていました。

そこは一般のお客さんはもちろんですが、
某有名ファッション誌のヘアメイク、モード撮影や芸能人のヘアを担当する
まさに、華やかな東京を絵にかいたような空間です。


働き始めて数年が経った頃、
“しがらみ”、“業界の裏事情”、“成功するための術”
というものが、技術向上の努力以上の効果を発揮する現状が見えてきて、
なんだかうんざり。。。

そうしていると、女優さんも担当する憧れの某有名ヘアスタイリストの
アシスタントとしての面接のチャンスが巡ってきました!

しかし、、、

某有名ヘアスタイリストとの面接は、
彼が仕事が終わった後の面接でしたので夜も遅く。。。
さらに車の車内での面接で、
仕事内容よりもプライベートなことばかり聞かれるめちゃくちゃな面接。

「俺との面接に辿りついただけでも、すごいことなんだぞ」

「俺につくなら24時間プライベートはないから!
電話したら深夜2時でも電話に出ないといけないんだ。じゃあ、証明してみようか。」

と、証明するためだけに今付いているアシスタントに”深夜2時”に電話し始めたり。

なんて人でしょうか!「PRADAを着た悪魔」以上の話しですね!
Aikoさんは逃げるように立ち去った面接でした。
さらに追い打ちをかけるように、、、
“面接をした某有名ヘアスタイリスト”は、
彼女が勤めていた代官山のサロンと近しい人で、つながりがあり、
最終的にAikoさんは已む無く表向きは「華やかな」サロンを去ることに。

東京美容業界の黒い部分が見えた時期でした。

その後、友人の紹介で始めた次の仕事は
Ralph Laurenのヴィジュアルマーチャンダイジング(VMD)です。
VMDはストアコンセプトに基づいてディスプレイや店舗デザインをする仕事。
Ralph Laurenはパリのブティクでもいつもドラマティックで
美しいディスプレイで人々を魅了しています。
ラルフローレン パリ

Aikoさんは六本木ブティックでの大きなイベントを迎えました。
東京中を駆け巡ってイメージに合った展示用のディスプレイを作り、
結果、大成功に終わったイベント。
するとアメリカ本部から来ていた重役から高評価を得て、
「社員にならないか。」と。
紹介で始めた仕事だし、、、社員か、、、

大きな選択を前に、自分の人生を考え「自分の本職は」と問うと、
答えは、やはり

「美容師」

でした。

ーこの頃は日本の美容業界にうんざりしていて、
ーフランス映画が好きで映画のヘアメイクをやるのが夢だったり、
ープライベートなことも合わせて、様々なタイミングが折り重なり、
ワーキングホリデービザでパリを目指したのは2011年。
その年の11月に、BonjourとMerciだけで降り立ったのは、
大好きなフランス映画でよく舞台となる、モンマルトル。
Pinterest
モンマルトル

パリ生活の始まりは、ツテも何もない中でとにかく「美容に関する仕事がしたい!」
と会う人会う人に話していました。

アツイ思いは通じるもの。
いつの日かパリコレなどを担当するヘアメイクTさんに繋がったのです。
Tさんからはパリでの美容師業について色々と教えてもらいました。
そして「出張美容師」という働き方があることを知ります。
え?!なんですかそれ!
「出張美容師」はサロンを持たずにお客さんの家に行ったり、
自宅に来てもらってカットをすることです。

早速「出張美容師」を始めたAikoさん。
パリの200-300にも及ぶたくさんのお宅に訪問したそうです。
コックピットのようなお部屋もあれば、
広大な玄関だけで100㎡もありそうな巨大なアパルトマンまで。
さらに日本のサロンワークでは出会えなかったような
様々なジャンルのお客さんに出会え、とても充実した日々を送っていました。

しばらくすると、キーパーソンでもあるTさんに
Diorのアトリエでショーウィンドー用のウィッグを作る仕事があるから
手伝ってくれない?と。
Dior

Dior

彼女にとって出張美容師以外のパリでの初めての仕事になります!
ふたつ返事ではい!と。
Diorは今ではシンプルなヘアスタイルのショーウィンドーですが
数年前はとても手の込んだウィッグを使用していました。
全世界のDiorのショーウィンドー用のウィッグをパリのアトリエで
ひとつひとつ作っていたそうです。
パリコレ
image
細かな作業だし、相当数こなさなければならない大変な仕事でしたが、
とても美容師テクニックの勉強になったそうです。

さて、このDiorのアトリエのオーナーはイタリア人。
共同経営者はグアテマラ人。

Aikoさんは、このグアテマラの人はいつもアトリエに来ては
パソコンばっかりカチカチやって
一体何をしているんだろう???とじばらく思っていました。


とある日。アトリエのみんなで食事をしていると、
このグアテマラ人の彼が映画監督だと判明したのです!

えーーーーーーー!!早く言ってよ!!!!
私は映画のヘアメイクがしたくて
パリに来たんです!!!

この時は、まだ監督は若手でこれからの人。
さらに「Aikoはもっとフランス語は話せるようになったらね~」
と本格的に話が動きそうもなかったのでした。

その後Diorのアトリエで仕事を続けていたAikoさん。
細かい作業を続けて、1年ほど経った頃です。

DiorでPCをカチャカチャやっている人であり、
若手監督でもあるグアテマラ人の彼が、
「資金のめどがたったので長編映画が撮れそうだ!」

Aikoさん「私、絶対やりたいですーー!!!」

監督Aikoそうだね~フランス語もすごく話せるようになったね。
だけどね
映画の撮影はグアテマラだからスペイン語なんだよ!

Aikoさんじゃあ私スペイン語勉強する!!!」

私だったら、膝から崩れ落ちる程のどんでん返しです。
やっとフランス語がわかってきたころに、さらにスペイン語が必要とわかっても、
意欲的に独学で取り組むAikoさん!
監督にもスペイン語でメールを送り続け自己アピールも忘れずに♪

半年後、Aikoさんの努力と熱意が伝わって、
監督から正式にヘアメイクとしてオファーが来ました。
2012年ワーホリの期限が切れるころでした。

ビザが切れるのに伴って日本へ帰国。
再びパリへの学生ビザを申請しましたが、
フランス大統領選の混乱期もあって中々ビザが下りず、
やっとパリに来れたのは日本へ帰国してから半年も経ったころでした。

2013年7月 パリ再出発直前です。
監督から「シナリオおくるね~!」
やばいやばい!
パリに着いたら入国後の健康診断とか忙しいし、
フランス語講習にニースにも出発しなければならないし、
監督にも会う事になっているし、時間ないよー!

アドレナインを出しまくって、
100ページ弱もあるシナリオ(※全部フランス語)を読破したのは
監督に会う数時間前でした。

グアテマラの村に暮らすマヤ民族をテーマにした映画です。
Aikoさん自身もシナリオを気に入って、いよいよ確実に映画に参加することが決定。
撮影は2013年12月~1月の2か月間、グアテマラで行うことになりました。
場所はパリでもなく、フランス国内でもなく、
グアテマラですよ!
日本人はたった一人の映画チームでグアテマラに出発。
2か月間一言も日本語を話さなかったといいます。

【グアテマラヒストリー】
①グアテマラ共和国
年間温暖な気候ですが、12月、1月の朝晩は冷え込む

②マヤ歴がある。
28日間のマヤ歴には風の日、土の日というのが各日にあり、
「明日は風の日だね~」と村の人の話しを話半分に聞いていたら、
⇒次の日は本当に突風に!

③山奥で撮影
ーネットが通じるわけがない
⇒多すぎる情報からそぎ落とされた感じ

火の山のマリア公式サイト

ー水源は安定せず(お湯の装置もうまく起動せず)
水が出るだけでも良いんだ!もちろんシャワーもお水

ー太陽とともに起き、夕日とともに寝る。美しすぎる星空


ー神秘的な出来事に遭遇
撮影で村奥に行ったら突然発電機が作動しなくなった!
“これは火山が怒っているんだ!”
マヤ民族の原住民と撮影の許しを乞う儀式を1時間あまり行うと、、、
ピカっと機材にスイッチが入った!ことも。

ーホテルもレストランもないような小さな村で撮影
小学校を利用してそこに2か月間滞在

ー原住民の村人もエキストラで参加するドキュメンタリー要素も入った映画

④12月25日クリスマス
主宗教がカトリックのグアテマラ。
12月25日は各家族でキリストの誕生を盛大に祝います。もちろん撮影はお休み。
村の人も各家庭で過ごします。
Aikoさんは撮影場所から少し離れた場所にある監督の家で過ごす予定でした。
しかし、Aikoさんは”水シャワー”の疲れが出たのか
身動きできない程の高熱が出てしまいました。
車で監督の家に行くのだって無理なくらいシンドイ。。。どうしよう。。。

すると、エキストラでもある、仲良くしていた村の青年の一人が
「じゃあ、家で休んだら」と。

村の彼の家ではお母さんとおばあちゃんが薬草を持ってきてくれました。
そして、Aikoさんの手をお母さんとおばあちゃんが両側から持って、
Aikoさんの体と共鳴した薬草だけを選んで煎じて飲ませてくれました。
「これを飲んだら治るからね」
翌日、奇跡です!!
あれだけ動くことがしんどかった高熱があっという間に下がったのです!

自然を崇拝している人々の姿勢に感動しました。
見ず知らずの日本人に優しくしてくれる姿勢にとても感動しました。

青年の家族とともにクリスマスを過ごして
決して裕福な生活ではありませんが、温かく優しさ溢れる家族で
健康に過ごせるのは素晴らしい事だなと思ったのです。

この時、村の青年は20代前半で夢に満ち溢れていました。
メキシコやアメリカに行ってお金を稼いで家族を楽にさせてあげたい、と
とても熱意溢れる青年でした。
Aikoさんも自分が出来る形で何かしら応援できたらいいなと思っていたのです。

さて、2か月に及ぶ撮影も終わりになります。
アツい青年はフランスに行くね、と話していましたがここで一旦お別れ。

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ここで!Aikoさん本人からグアテマラの撮影を終わって
パリに戻る前日に書かれた文章をお借りしました!
現場の様子が目の前に浮かんでくるようでとてもリアリティーがあって、
さらにものすごい感動的で貴重な経験の素敵なエピソードです。どうぞご覧ください。
 

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Aikoさん、パリに戻りました。
Aikoさんは更なる映画の撮影で忙しくしていました。
無理がたたったのかなんだか体の調子が悪いな、ガストロ(胃腸風邪)かな、
と体調がすぐれず病院へ行ったら、
なんと赤ちゃんがおりますと★★★
グアテマラの自然が起こしたミラクル!

2014年9月。
(Aikoさんが体調を崩した時、声をかけてくれた村の)
彼がついにパリにやって来ました。
“ついに”というのもグアテマラからパリに来るのは、
パスポートひとつ取るにしても、我々日本人が想像する以上の困難があるそうです。

彼は無事出産に間に合って立ち会うことが出来ました。
さぁ、これから家族3人仲良く暮らしましょう♪

とならないのが外国で暮らすということ。
海外に長期滞在するには、何かしらの滞在許可が必要です。
例え子供という貴重なかけがえのない存在が居ようとも、
許可が下りないこともあり得るのが海外生活者の苦渋を味わわなければならない実情。

Aikoさんは、数年間に渡って弁護士や裁判と言った
あらゆる手をつくしたのですが、
3人での家族の生活は実現していないのが現状です。

どこでどのように生活をしたら、3人にとって幸せなのか。。。

しかし、前に進んで行かなければならないのが人生。
Aikoさんは今年の6月から同じ監督の2作目の撮影でグアテマラに向かいます。
1作目はグアテマラの貧困層にスポットを当てましたが
2作目は富裕層にスポットを当てた作品だそうです。
今度はお子さんと一緒にグアテマラへ再び向かいます。

華やかな美容業界から旅立ち、
大好きなフランス映画のヘアメイクの世界を目指してパリに来て、
映画のシナリオのようなドラマティックな展開と努力で夢だった映画の世界に入り、
未知のグアテマラで日本人がたった一人の環境で撮影に挑み、
新しい家族が増えて、
さらに、映画のような彼のフランス滞在許可取得のドラマを経験し、
現在パリで美容師を続けるAikoさん。

映画のヘアメイクをするAikoさんの人生こそが
まさに映画のようなドラマティックな歴史です。

夢を叶えるには運もあると言いますが、
Aikoさんのように、前に前に進んで努力する姿勢こそが
夢を現実にしていく人の姿だなあと思いました。
自分の本職は何か考え、
「美容師」
という結論を出して、このしっかりとした目的を持って進んできたことで
今のような道が開かれたのですね。


さて、こちらがAikoさんがヘアメイクを担当した映画です。
第65回ベルリン映画国際映画祭で
銀熊賞アウトレット・バウワー賞を獲得した作品です!
素晴らしい!!

日本では2016年9月からDVDで発売されているようです。
クレジットにAikoさんの名前を見つけてください!!

火の山のマリア公式サイト


火の山のマリア公式サイト

こちらが日本版予告編




火の山のマリア公式サイト

明るく前向きに進んでいくAikoさんの姿勢に感激し、3人の幸せを願っております。
インタビューありがとうございました。

【Aikoさんサイト】Click⇒ http://www.aikosato.net/
見ているこちらもモチベーションがあがる仕事っぷりで素晴らしい!

PARIS-ZIN Interviews
PART1はこちらから⇒【Mme Yoshiko Yokoyama】
PART2はこちらから⇒【アクセサリーブランドQuatre et DIx】
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